Malmeが目指す
”勇気を生み出す
リスクテイカー”
としての未来
Malmeが目指す
”勇気を生み出すリスクテイカー”
としての未来
Malmeが目指す
”勇気を生み出す
リスクテイカー”
としての未来
Malmeが目指す”勇気を生み出すリスクテイカー”としての未来
2021年に土木業界で産声をあげた株式会社Malme。
創業から2年が経ったいま、新たにブランドを一新し、さらなる価値創出と拡大へ取り組もうとしています。
Malmeの新たな一歩を前に、Malmeのこれまでの歩みとこれから向かおうとしている未来について、代表取締役である高取佑へインタビューすることを思いつきました。
多くのお客様や土木業界の方々に「Malmeは土木業界の何かを変えてくれそう」という期待のお声をいただくことも増えてきました。
だからこそ、改めてMalmeの哲学とビジョン、そして業界に対してどのような貢献を生み出していきたいのかを皆様にもシェアしたいと思います!
「何かを変える」ではなく、「Malmeはこう変えるのだ!」と皆様に知っていただきたい。
特に、業界の変化につながるアクションを率先して生み出していきたい、そんなアクションが生まれている環境で頑張ってみたいという方に、この記事を読んでいただきたいと思っています!
少し熱が入りすぎて、長文な記事になってしまいましたが、お付き合いくださいませ・・・!(笑)
Malme創業前に生まれた「現状への危機感」
ーこれまで多くのメディアでMalme創業の背景はお話しされてきていますが、高取さんが建設コンサルタント業に従事していた際に、スウェーデンのマルメ市へ視察旅行へ行ったことがきっかけということでした。
(高取)そうですね。海外のインフラ視察が目的の旅行だったんですが、そのリーダーを勤めてくださっていたのが、日本のインフラ開発の最前線で活躍された中村英夫先生でした。先生は、欧州の国々を巡る合間に日本のインフラ発展の歴史や欧州に学ぶべき点など、様々なお話をしてくださったんです。
そのお話の中で、とりわけ戦後に業界の諸先輩方による急速なインフラ開発が始まり、技術的にも世界トップクラスになるほど洗練されていった歴史を改めて知ることとなりました。
尊敬の念を覚えながらも、「自分達の世代は、同じようなことができているのだろうか?」という危機感を強く持ったんです。「やばい!」って思いました。(笑)
その当時のイノベーティブな動きに比べて、現状の業界は停滞しているという印象を持ったというのが正直なところです。
なので、この視察で夢が芽生えたというような綺麗なストーリーではなく、ものすごく落ち込んだというのが本音で、だいぶネガティブに捉えていました。(苦笑)
ーそこで危機感を持ったことから、ベンチャー企業へ転職されていますよね?
(高取)欧州の視察旅行では「現在の業界は昔に比べてイノベーションを生めていない」という危機感を持ちました。イノベーティブな場所に自分も入り込んでいかなくてはならないという思いから、新しい技術の活用に挑戦する風土を持つドローンベンチャーに移りました。
そこで「新技術をうまく取り入れることができれば、まだまだ土木業界も前に進める!」と身をもって感じたんです。そもそも、自分の性質としてもベンチャー的な風土はあっていたし、その中で生まれる新しい技術の開発や活用が、これからの土木業界には必要な要素だと確信しました。
また働き方という意味でも、常にスピード感を持って「働いて新しい価値を生むこと」に情熱を持っているような人が集まっていたので、そうしたベンチャースピリットにも刺激を受けました。建設業界ではなかなか見たことのない仕事への向き合い方だったので、これを建設業界で実現したいという想いが、我々が掲げている「work as life」の考え方に繋がっています。
創業から2年を経て生まれた、Malmeの反省と覚悟
ーそのような経験を経て、2021年にMalmeを創業することになると思いますが、創業当初に描いていたビジョンや方向性と実際に2年が経過した中で変わった部分などはありますか?
(高取)ぶっちゃけ、変わった部分はほとんどないですね。新しい技術が普及し、人が成長することで「土木がもっと面白く思える・面白いものが生み出せる」という状態を作りたいと私たちは考えていますが、2年経ったことでよりその解像度というか、向かうべき道が自分達の中でもクリアになった気がします。
簡単にいうと、「もっともっとチャレンジしないといけない」ということが分かってきたのが現在地という感じ。(苦笑)
現在は「BIM/CIM」という、いわばDXの基盤とも言える技術領域から事業を始めていますが、それをもっと多くの人に触ってもらったり、活用してもらう機会を提供して、日本の土木業界が新技術に慣れていくきっかけを作らないといけない。ですが、まだまだ道のりは遠いなと実感する毎日です。
ー具体的に、業界にはどのような「変わらなさ」があると思っていますか?
(高取)もともと、私たちが創業した当時から、ICT技術やAI技術などを取り入れる動きに対して土木業界はなかなか積極的になれていなかったと思います。興味関心は持つんですけど、とりあえずPoC(技術検証)のようなアクションをやってそれで終わり、という感じ。新技術を導入するときは、そのインパクトが大きければ大きい程、その技術を受け入れて使いこなすことができるように、組織構造や評価制度、働く人々の考え方、時にはビジネスモデルまで変えていく必要が生じますが、そこに着手してやり遂げた企業はほんの僅かだと思います。
色々な要因は考えられるんですが、やはり先ほど話したような戦後以降の成功体験が大きすぎたことも一因だと思います。生み出したインフラをいかに維持するかという「カイゼン」(改善)的な考え方が色濃く出過ぎてしまい、新たにイノベーティブな発想や取組みが醸成されづらかったことの影響が大きかったのだと思います。
私は、産業の発展には「政策」「先端技術」と「それらに関わるヒト」の3つのトリガーが上手く重なり合うことが重要だと考えているんですが、どれか一つが停滞するケースがとても多い。BIM/CIMを例に挙げても、政策面で積極的な打ち手が取られているけれど、それを実現するハード・ソフトウェアがなかなか産まれなかったり、関わる人のマインドセットが後ろ向きなままだったり。逆もまた然りで、いわゆるデッドロック(deadlock)のような状態がしばしば続いてしまうわけです。結果的に、業界全体でなかなか前に進めない状況が続いてしまう。
ーそのような中、Malmeは新たにチャレンジをしていくという覚悟が生まれてきたということでしょうか?
(高取)その通りです。この2年間で、私たちのビジョンや生み出したい業界の姿を色々な方に話し、共感いただくことができました。
事業としても良い成長曲線を描けているのですが、「業界の意識を変え、業界全体でより良い方向に進化していく」という点では、もっとやらなきゃいけないことがたくさんあるというポジティブな反省もあります。
政策的にも経済的にも技術的にも、土木業界はもう足踏みが許されない時期に来ていると思います。
だからこそ、私たちのようなベンチャーが、本気で変化を生み出すための一歩を踏み出さないといけない。そのための覚悟ある行動を起こそうと思っています。
”技術と人のアップデート”という初心に戻り、イノベーションの波を生み出す
ー本気で業界課題に取り組むという点で、具体的にはどのようなアクションを行おうとされていますか?
(高取)アクションとしてはまず2つを考えています。
一つは「技術」の観点から、土木設計の自動化を行える支援ツールの開発です。
現在、土木設計業務で使われている構造解析・構造計算ツールは専門性やクセの強いものが多く、使いこなすために多くの時間がかかってしまいます。UXや生産性、特に若手技術者の技術修得という観点で時代にマッチしないものになっていると感じます。
そこで、ユーザーが努力を積まないと使えないツールではなく、若手のエンジニアでも直感的・効率的に扱える設計自動化のサービスを作ることにしました。
2023年の4月にはVer.1.0をリリースします。まずはお付き合いのある企業様へ試験的に導入いただく形で準備を進めています。
二つ目に「人」の観点で、私たちMalmeがこれまでに蓄積したBIM/CIMに関するノウハウや土木業界に関するデジタルな知識を、他社にも開示していくサービスを検討しています。
これまで多くのお客様へのご支援を通じて、私たちの手元には様々なノウハウや実績が蓄積している状態です。それらにより多くの人がオープンにアクセスできるような環境づくりを行いたい。
この他にも、AIを活用したサービス等の仕掛け作りを進めています。より簡単かつ不安のないデジタル活用・新技術活用を土木業界に対して促進し、土木関係者の方々のマインドセットをアップデートできる手助けをしたいと考えています。
ー改めて、「技術」と「人」という要素に取り組もうとした背景はなんでしょうか?
(高取)結局、産業の中でもこの2つがまず変化を起こす必要があると、これまでの2年間で思い知らされたというのが率直な理由ですね。
「政策」の部分では、正直なところ、土木業界の変化を促進しようという雰囲気は残っているものの、現状の停滞感を打破できず、未来のビジョンに現実感を持たせられていない。
それによって、「人」の側面からも業界内のプレイヤーたちも業界外の人々もある種の諦めのようなものが強くなっていると感じます。
それもあって、「技術」の面でもブレイクスルーを生めるような開発への積極的な取り組みと評価・活用の流れが生まれない。
政治的な面に対して、企業が単独で変化を起こすことは難しいですし、よりスピーディーかつダイナミックに変化を起こせる可能性がある「人」と「技術」に取り組みたいという考えも、私たちのアクションの背景にあります。
変わらなければならない部分に、多くの人が変わっていこうと思い行動できる。そんな勇気を業界に生み出せるようなアクションを、私たちが率先して取り組んでいきたいと思っています。
日本が再び世界レベルの土木大国になるため、Malmeは”リスクテイカー”でありたい
ーこれから取り組んでいくアクションの中でも、「自分達のノウハウを外部にも開示する」というのは、優位性を無くしてしまうという懸念も生まれそうですが、その点はどう考えていますか?
(高取)もちろん、私たちも営利活動としてビジネスを行っているので、利益を上げていくべきだし、市場での存在感を生み出すことは必要だと思います。
ですが、それよりも私達が真剣に向き合うべきは、土木業界そのものが減退していく可能性の方です。今後の日本を支える技術者は足りているのか、今後の発展を支える技術は育っているのか。これらの問いに対し、明確な答えはまだ出ていないと思います。
そのような中だからこそ、業界全体で上に向かっていくことが求められている。それは、個社の営利よりも大事なことだと私達は考えています。
綺麗事のように思われるかもしれませんが、そのことでMalmeにも長期的なメリットがあると思っています。
短期的な生存競争ではなく、業界自体がより健康で活力に満ちた状態になることを通じて、健全で前向きな企業競争が続いていく。それにより、より良いエコシステムが回っていくことを私たちは優先したいです。
ーMalmeが業界に対してアクションを起こしていく先には、どのような未来像を具体的に描いているのでしょうか?
(高取)かなり長い目で見た話ではあるのですが、最終的に目指すのは「日本の土木が世界トップレベルに再び立てる」という未来像ですね。
これは、私たちが一人勝ちするというのではなく、土木業界全体のレベルが上がることで、「土木技術や街づくりといえば、日本だよね!」と言ってもらえるような国際的認知を獲得していきたいです。
ー国際的な観点で、日本の土木はどのような位置にいると考えられていますか?
(高取)見方によりますが、新技術の活用という視点では、欧米はじめ技術先進国には10〜15年ほど先を行かれているという印象です。
また、以前は日本が土木技術をODAなどの活動を通して提供していた東南アジアの国々においても、国策として強制力を持った土木のデジタル化を進めていたりするので、それらの国とも差が生まれてしまっていると感じますね。
日本は良くも悪くも、政治的な強制力を働かせない柔らかなやり方を好むため、事業者たちの自発的な取り組みが重要になってくる。
ですが、BIM/CIMなどの技術的な点で言うと、国際的な市場寡占を行えている事業者はまだまだ存在しないので、日本にもチャンスがあると私たちは思っています。
ーそのような状況だからこそ、日本の土木業界全体で国際的な評価を手に入れられるということですね。それは、先述された戦後の土木業界が生み出した状態を再度目指すということにもなりそうです。
(高取)そうだと思いますし、そのサイクルに入っていると思っています。
先達たちが作ってくれた素晴らしいインフラがここにきて維持しきれず、どのようにして新しいものに置き換えていくかという話が業界の中でも起こっています。
0→1を生み出し、それを引き継いだ世代が1→100を作ってきた流れがようやく一周し、新たなサイクルが始まっていくスタートラインに私たちはいる。
だからこそ、戦後日本のようなベンチャースピリットを新たに発揮できる存在が必要ですし、そのような存在がこれからどんどん出てくる時期に入っていると思います。
私たちもその1つですし、どこよりもMalmeが最初の一歩目を踏み出していきたい。
ある種、業界内の”リスクテイカー”として新たなチャレンジを行い、その結果を業界にシェアしていくことで、日本の土木を世界レベルにしていくきっかけとなっていきたいと思います。
ー最後に、この記事を読んでくださった方にメッセージをお願いします!
(高取)特に、土木業界の方々に対して伝えたいメッセージは2つ。
まず一つ目として、Malmeだけで土木業界を変えることはできないと思っているし、私たちもそうありたいとは思っていません。業界がより良く進化するためには、全てのプレイヤーが変化の一歩、チャレンジの一歩を踏み出すことが必要不可欠です。
Malmeがやりたいのは、その一歩をまず踏み出してみるということであり、その一歩によって業界全体に勇気を与えられることで、多くのプレイヤーがチャレンジに前向きになれるきっかけを作ること。
みなさんと一緒に、Malmeも頑張っていきたいと思っています!
また、これからより一層大きなチャレンジをMalmeは行っていきたいと思っているので、私たちの考えや描きたい未来像、取り組もうとしているアクションに共感してくださった方がいたら、Malmeに入ってもらいたい!(笑)
Malmeの社員は個性派揃いで、キャリアやこれまでの経歴もバラバラなメンバーたちです。共通するのは「土木業界をポジティブに進化させたい」という強い想い。
このような想いを持っている方をMalmeは常に求めているので、少しでも興味があればご連絡いただきたいと思います。
土木業界をより幸せで、誇りあるものにしていくチャレンジへ。共に一歩を踏み出してみましょう!